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The end of the story 【ツイステ】

第6章 Crazyパーティー!




「小さなルール違反はいずれ大きな問題に繋がるんだ。取り締まるのは当然だろう?」
「私からしたらトレイ先輩に手伝ってもらいながら作ったタルトの方がルールよりも大事だと思います。私からしたらタルト一つでそんな大きな問題になるようには思えません」
「キミは…もしかして購買の時の…」

先輩が一瞬でも冷静になった瞬間を見て言った。
周りの先輩に殴られるの覚悟で。
実際、周りの寮生たちはまさかの行動に呆気に取られる。

「ルール。ルールってなんなんですか。人それぞれ大事にしてるものって違うからこれが正しいか間違ってるかなんて強くは言えません。でも、貴方の場合……ルールを破ることを極端に恐れている。まるで破れば誰かに大切なものを奪われると。
でも、だからって貴方は寮長だからとはいえ強制的にそのルールに従わせて発言の自由を奪うのはおかしいです。
規律は寮の統制をするためにも必要なものとは思いますが、そもそも810条の法律を寮生たちに覚えさせる努力、しました?寮生は貴方のコピーじゃない。全て完璧にこなせるわけじゃない。そんな寮生たちに新入生たちに法律を覚えさせることしたんですか?」

真っ直ぐその先輩のグレーの瞳を見つめた。
ユラユラと揺れるその瞳。きっとこんなこと言う人誰もいなかったんだろう。

例え怒られたとしても怯えないで叱って、その行動を正してくれる人が。
エースとデュースはいつも気が抜けるような笑顔のユウが感情が抜けた氷のように冷たい目で目の前の寮長を睨んでいること気づいた。
二人だったら分かるだろう。私がいつになく怒っていることが。



「ローズハート先輩。私、気分が悪くなったので帰ります」
「あ、あぁ…」

ぽかんと口を開けて戸惑いながら私を見送るのを見ているのを確認するとグリムを椅子の上に下ろす。


「グリム。………をお願い」
「!!オレ様に任せろっ!」


グリムは抱えた時に囁いた声に頷いて、腕からぴょんと抜け出すとテーブルの下を器用に縫うようにして走って行く。私はそれを見ないで会場の外の近くまで進むと声が聞こえた。


「ユウ!!取ったんだゾ!」
「ナイス!グリム!!」

こういう瞬間、自分がこの学園に染まってきているのを感じる。ニヤリとグリムからタルトを受け取って笑った。
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