The end of the story 【ツイステ】
第6章 Crazyパーティー!
「そんなクルクル回らなくても変なとこはねーよ」
「うんうん!そういや、ユウちゃん。今日は香水つけてるんだね。多分これだとつけすぎだからこのくらいかな?」
「匂いが少し薄くなった…?」
「そ、オレはこのくらいが好みー♪」
得意げにマジカルペンを振って、ウインクして見せるケイト先輩に思わず苦笑した。今更感凄いけど獣人対策で学園長に言われた通り香水をかけてみたんだ。
後から気づいたけど、昨日の獣人二人。匂いまで嗅がれて女バレしたのではと不安になった。あの時の私、香水をかける前だったから。
ケイト先輩はそんな私には気づかず、波乱が待ち受けているパーティー会場に入る。
「マロンタルトは持った?それじゃパーティーに参加しよっか!」
会場に近づいてみるとやっぱり不思議なパーティーだ。色鮮やかなテーブルセットの中に不思議な積み方のカップだったり、何故か穴の空いた帽子のようなものもある。
ケイト先輩に渡されたカップを手に取るとローズハート先輩が周りを見回してみんなの元にティーカップが行き渡ったのを確認すると先輩は自分のカップを掲げた。
「クロッケー大会の前にまずは乾杯を。みんなティーカップは行き渡ったようだね。
では、誰の誕生日でもない『なんでもない日』を祝して!乾杯」
先輩の声に合わせて他の寮生たちも乾杯とカップを掲げた。
みんなが紅茶を飲んでる間、時間が空くのに気づいてケイト先輩がエースに声をかけた。そっか。お茶会の雰囲気に飲まれて忘れかけてた。本来の目的は回り道をしすぎたけどローズハート先輩に謝ってマロンタルトを渡すことだった。
「よし!あの〜寮長」
「ん?キミは……あぁ。タルト泥棒の一年生か」
「タルトを食べちゃったことを謝りたいと思って。新しくタルトを焼いてきたんですけど」
エースは袋から慎重に箱を取り出す。
「ふぅん?まぁ一応聞くけどなんのタルトを?」
「よくぞ聞いてくれました!旬の栗をたっぷり使ったマロンタルトです!」
箱の蓋を楽しげに開けるエース。これで謝罪を受け取ってもらえるかな。
しかし、マロンタルトを見た瞬間、先輩の顔は怒りの表情に一変した。