The end of the story 【ツイステ】
第6章 Crazyパーティー!
高らかにトランペットの音色が響く。
「我らがリーダー!赤き支配者!リドル寮長のおなーりー!」
表面だけ褒めたためようという空気をまとった、寮長を歓迎する言葉にひどく不快感を抱いた。
会場までゆったりと歩いて登場する様子はまるで王様が演説のためにやって来たかのよう。
その側に付き従う側近のようにトレイ先輩がローズハート先輩の隣にいた。
そういえばトレイ先輩は副寮長だったっけ。
「うん。庭の薔薇は赤く、テーブルクロスは白。完璧な『なんでもない日』だ。
ちゃんとティーポットの中に眠りネズミは入っているんだろうね?」
「もちろんです。もしもの時の鼻に塗るジャムも完璧です」
「ふむ、よろしい」
こくりと頷くローズハート先輩は制服の時とは全然違う雰囲気だ。ひらひらとしたマントに小さな金の王冠。それに先輩方や他の寮生が身に纏ってる服装もまるでトランプを感じさせるデザイン。周りのパーティー会場に相まってなんだか……
「アリスの世界に迷い込んだみたい」
「ふふーん。あれはうち、ハーツラビュル寮の寮服だよ。流行を押さえつつ、マジカメ映えも最高ってね!というわけでオレもお着替え!」
先輩がペンを振ると一瞬で服装が変わって他の寮生と同じ寮服に変わった。
うわぁ!いいなー…その寮服が着たいとは言わないけど、オンボロ寮にもハーツラビュル寮のように寮服が欲しい!
「パーティの日は正装って、ハートの女王の法律でも決まってるからね。今日はサービス!お兄さんがコーディネートしてあげよう」
ケイト先輩がまたペンを振ると今度は私たちの服装が一瞬で変わる。凄い!どういう原理なんだろ……。
エースとデュースはハーツラビュルの寮服へグリムも首元のリボンが赤と黒が綺麗なデザインの物に変わっていた。
「おぉ……!」
「結構、イケてるじゃん!」
「にゃっはー!かっけーんだゾ!!」
「みんな凄く似合ってるね!」
私はこんな服、着慣れないからソワソワしてしまう。少しだけスカートなのかと期待してしまったけど、そりゃスラックスよね。
制服もそうだけど、こういう服ってもう少し身長があった方が映えそう。ケイト先輩じゃないけど。
先輩は私も似合ってると言ってくれたけど、本当かな?変じゃない?