The end of the story 【ツイステ】
第6章 Crazyパーティー!
こっそり自分だけ逃げ出そうとしていたグリムはエースとデュースがさっと捕まえて薔薇塗りをさせた。
普段は時々喧嘩する二人だけどこういうときは連携が凄いな。
昨日あれだけたくさん薔薇を塗らされたからかみんな手早く薔薇を塗っていく。グリムが薔薇を燃やしたり、デュースが別の色に変えてしまったりというトラブルもほとんどなくなったおかげで昨日よりも倍のスピードだ。
「うんうん。エースちゃんと#NAME1#ちゃんはもうだいぶ色ムラなく塗れるようになったね」
「ま、あれだけたくさんの薔薇を塗らされたらそりゃ上手くもなりますよ」
「オレ様だってもう色変え魔法は完璧なんだゾ!」
グリムの魔法は放物線を描いて白薔薇にあたるとパンッと光がはじける。そこには見事な赤い薔薇が咲いていた。
「グリちゃんも絶好調だね!さ、この調子でじゃんじゃん塗っちゃおう!この調子ならお茶会までに間に合いそうだ!」
ケイト先輩の言葉通り色塗りは結構さくさくと進んでいって、気づけば最後の一つになっていた。
「よし、これで最後の一つだ!」
デュースが最後の一輪にマジカルペンを向けると薔薇が赤く染まる。
これで全部塗り終わった!朝よりずっと短い時間でしかもグリムが燃やした花の片付けやデュースの別の色になる現象で色を塗り直す手間がなくなったから大分早かったはずだ。
「ふな~これで全部終わったんだゾ」
「ケイト先輩、これで文句はないっしょ?」
「そうだね~けーくん的には
頑張りも含めてはなまるっ!一年生ちゃんたち、お疲れ様!!」
にっこりと笑っていうケイト先輩に私たちはほっと胸を撫で下ろした。これでやり直しだったらきつい。
ケイト先輩がスマホで時間を確認するとパーティーの時間が迫って来ていることに気づいて薔薇塗りが終わった三人のケイト先輩の分身が集まってくる。
先輩がマジカルペンを振ると光と共に分身は消えてしまう。この世界に来てから本当に驚くことばかり。私にとって不思議な現象に分身が消えた場所を目を白黒させてみていると先輩が私の手を引いた。
「さぁ、パーティー会場へ案内するよ。庭園の中は所々迷路になってるところもあるからしっかりついて来てね?」
「め、迷路………?」
それ私一人で帰れる気がしないな。もしハーツラビュルにまたくる時は誰かと一緒に来よう。
うん、今決めた。