The end of the story 【ツイステ】
第6章 Crazyパーティー!
寮の中からひょっこり顔を出したのはケイト先輩。
しかし、私たちの前を歩いていたのもケイト先輩だ。
「おーい!やっと来た!おかえり、オレくん」
「たっだいまー!お待たせ、オレくん」
手を振って迎える先輩方…いや、ケイト先輩にグリムたちはぎょっと目を見開いた。
まぁそりゃそうなるか。ケイト先輩と話してちょっとした違和感があったからそれが私は解決できてむしろスッキリだ。
「け、ケイト先輩が二人!!?」
「双子だったんすか?!!」
「いやいや…男きょうだいはおれだけ!コレはオレのユニーク魔法。『スプリット・カード』、魔法で自分の分身を作れるんだ」
「じゃあ、初めて会った時のケイト先輩は分身の方のケイト先輩だったってことですか?」
「そーだよ!」
それで倒しても倒しても復活して来たんだ。デュースは幻覚魔法と言ってたけど。私はこの魔法の可能性もあるなと思ってたんだ。
庭園の中からは更に先輩たちがわらわらと出て来た。なんともシュールな光景…。
式典服の先輩に実験服の白衣を来た先輩。私たちを案内した制服の先輩。それから運動着の先輩。
総勢四人のケイト先輩が集まった。
ケイト先輩が言うにはこの中で本物は運動着の先輩だった。間違い探しをしてるような気分だ。
「増えるのってしんどいからあんま長続きしないんだけどね。とにかく、遅れたら首をはねられちゃう。今人手が足りないからみんな手を貸して。
終わったらちゃーんとリドルくんのとこまで案内してあげる」
にっこりと有無を言わせない笑顔でペンキを手に渡してくるケイト先輩に若干引き気味で受け取った。
この先輩……また私たちを手伝わせる気か…。
「アンタ、本当に調子のいいヤツだな~!」
「さっ、それじゃ早速始めましょうー!」
さらりとエースの文句を流すとさぁさぁと四人のケイト先輩に庭園の中まで押された。白い薔薇が咲く木の下でここまで来たらやるしかないかと腹をくくる。ケイト先輩しかパーティー会場に案内してくれそうな人いないものね。
ここは言う通りに手伝おう。
分身のケイト先輩たちはそれぞれ白薔薇の場所まで行って塗り始めた。
「一年生ちゃんたちは、オレと同じ場所の薔薇をヨロシクね♪」
「はぁ~オレ、肉体労働はうんざり」
「文句を言ったって仕方ない始めよう」
こき使ってくる先輩に一年生は逆らえずため息をつた。