The end of the story 【ツイステ】
第5章 Spray パヒューム
じっと先輩を見つめるけどやっぱり何を考えているのか分からない、穏やかな笑顔が返ってくるだけだ。
そういや…今日もエースはうちに泊まるのかな…だったら今度こそ一人は寝れるように部屋の片付けとかしないとだけど。
「あー、でもエースはまだローズハート先輩にタルト渡せてないわけだし。まだ寮には入れないの?」
「そーいうことになるね。ね、監督生ーまた泊めて欲しいなぁー。意地悪な先輩には本当困るよねー?」
「あらー棘のある言い方ー」
「こーら!エース。ユウに甘えるのはよせ」
それに女性が住む家に泊めてもらうのは失礼だろとエースに囁く声が近くにいた私には聞こえた。デュースってほんと優しい。エースなんてその辺全く気にせず夜中にやってきて泊まりに来たくらいなのに。
「そうだゾ。今日も泊まるなら宿賃は払え!
ツナ缶10缶!」
「ゲッ!じゃあ、野宿しろって言うのかよー」
「うーん。流石に野宿は可哀想だけど……」
困っているとトレイ先輩がならデュースをお目付役として泊まらせればいいんじゃないか?と助け舟を出してきた。副寮長の権限で外泊許可出してやると言われたけども、私が悩んでるのはそういうことではない。
どっちにしろ同じ家に友達、しかも男子を泊らせることには変わりないんだよ。
今更?と言われても仕方ないけど昨日の夜中は疲労で思考力が鈍っていたのだ。
「えー!トレイくんってば新入生ちゃんたちに甘くないー?いいなー!オレもユウちゃんの寮で泊まりたーい!!」
「ケイト先輩もですか!?」
「お前はだーめ。で、ユウ。デュースを泊めさせて大丈夫か?」
「まぁ…エースよりはデュースの方が信頼できますし…万が一グリムと喧嘩した時にストッパーになってくれそうなのでいいですよ」
じゃあ外泊届け出しとくなと先輩に言われて頷いた。その横で泊まりを却下されたケイト先輩はしょんぼりと肩を落として残念と言ってるけど、思いっきり顔笑ってますよー。
「えーなんだよそれ」
「夜中に押しかけてきたエースよりデュースの方が信頼できるってこと」
「ぐっ…」
「えっと…ユウがいいならよろしく頼む」
エースがぐっと押し黙る。せめてアポは取って欲しかったなぁなんて。
「じゃあ、ユウ。うちのが2人も邪魔して悪いが、よろしくな」
「分かりました」