The end of the story 【ツイステ】
第4章 stolenスイーツ!
「あ、そうだ。リドルくんはホールケーキの最初の1ピース食べるの楽しみにしてるからきっとホールじゃないと許してくれないかもよ?」
「げっ!?ほ、ホールで!!?」
「タルトをホールでって大分高いじゃないですか」
「ケーキってだけで高いのに更にホールか……」
ここのケーキの物価ってどんな感じだろう。3000くらいかな?学生の3000円は割と大きいよね。
フルーツが高いのだと5000円近くになることもあるし。
「あ、ならさ。作っちゃえば?あのタルトはトレイくんが作ったものだし!」
「でも道具の準備もありますよ?」
「それは寮にあるトレイくんの借りちゃえばいいよ!場所は食堂の厨房で!あそこはゴーストに言えば借りられるんだよ!」
「それなら材料費だけで済みますね。タルトを手作りってトレイ先輩は凄いです!」
目を輝かせてトレイ先輩を見上げると照れたように頬を掻いた。
スイーツは作ったことあるけど、簡単なクッキーやゼリーがほとんどで手のこった物は時間もお金もかかるからケーキなんてあまり作ったことない。
簡単なチーズケーキや市販のパイ生地を使ったアップルパイくらいならあるけど。
「はは…ありがとな、ユウ。
でも確かにケイトの言うように寮には道具が揃っているな……だけど、タダで貸してやるにはいかないな?」
「えぇぇー!?お金取るのかよ!!?」
「いや、後輩から金を巻き上げるわけないだろ?
次にリドルが食べたがってたタルトを作るのに、栗がたくさん要るんだ。集めてきてくれないか?」
栗を使ってマロンタルトかー!また手間がかかるものをチョイスするなぁ。
イガ剥いて皮剥いて、何より大変なのは裏漉しだ。
まぁ、これだけ人数もいるんだから少しは楽か?
「どっちにしてもめんどっ!」
「まぁまぁ、そもそも私たちは先輩たちに協力してもらう立場なんだよ。タルトを買うより安く済みそうで良かったじゃない」
「いや、そうだけどー。……で、どれくらい栗はいるんです?」
「なんでもない日のパーティーに使うなら2、300個くらいだな」
そんなに必要なのかと驚く二人に私も一体どんな大きなケーキ、それか一つだけじゃなくて、何個か作るのかと首を傾げる。
マロンクリームの量、凄いことになりそうだ。