The end of the story 【ツイステ】
第4章 stolenスイーツ!
君主のような出立ちで現れたのは一番目を惹く揺れる苺のような紅い髪、グレーの瞳は私が先輩と話している時とは全く別物のような厳しげに歪んでいる。
この学園の中でも割と身長が近いから話しやすいし、顔立ちが幼なげでカッコイイよりも可愛いって感じだったから今までこんな印象持たなかったけど。
これではまるで本当の女王様みたい。
特殊な性癖を持ってる人なら罵られたいかもってこんな場面なのに思ってしまった。
「おっと〜リドルくん。今日も激ヤバなくらい可愛いね〜♪」
「ケイト先輩、それは言わない方がいいのでは?」
「ケイト、あまりお喋りが過ぎるようならそのよく回る口ごと首を刎ねてしまうよ」
「えーいやいや勘弁してよー!」
どうやって刎ねるんだ?エースのこの首輪がその首を刎ねられた状態で口も刎ねるって一体どうやって首輪がかかるんだろう。
首を刎ねるというとギロチンか、普通に切り落とすかが思いつくけど。
「口ごと……ギロチンだったとしたらどうやって刎ねるんだ?」
「お前、現実逃避になんて物騒なこと考えてんの?!!」
えーただの疑問じゃん。
「コイツ。入学式のとき、オレ様に変な首輪嵌めた奴なんだゾ!」
「キミ達は、昨日退学騒ぎになった新入生?人のユニーク魔法を『変な首輪』呼ばわりするのは、やめてくれないかな」
「ローズハート先輩。すみません、グリムにはちゃんと言って聞かせます。そもそもあれはグリムが入学式で暴れたせいでしょ。」
「ふなぁ…」
しゅんと耳の炎が小さくなるのをみて、ぽんぽんと頭を撫でる。
「それに君は……いや、今はいいか」
「そのー寮長……この首輪外してくれたりは…」
「しないよ。反省していたら外そうと思ったけど、どうやら反省が足りないようだからね。心配しなくても一年の序盤は魔法を使わない座学が中心。
魔法を使えなくても問題はないだろう?」
そうすれば騒ぎを起こす心配がないから君も安心だろうと言われて、確かにと納得してしまった。
「お前はオレの味方だよな。何、納得した顔してんだよ!」
「いや、だって……魔法使えないならグリムと喧嘩して魔法の打ち合いってことにならなくてすみそうだし。グリムとエースの魔法、風と火だから地味に相性いいせいで合わさると火力が出て危ないから」