The end of the story 【ツイステ】
第4章 stolenスイーツ!
「おい、監督生?なーに、一件落着して安心してんの?
まだオレ怒ってるんだけど」
「エース…そのごめんね?」
じとりとした目線から逃れようと視線を彷徨わせるけど、誰も助けてくれない。先輩方はにっこりと笑って見てるけど、目は笑ってないから余計怖い。
怖さで言えばエースよりも。
「うんうん。青春って感じだねー!」
「監督生はしっかり怒られて反省した方がいいぞ」
「は、はーい」
「うげーエースのやつ何でそんなガミガミ言ってくるんだ?こいつの親でもねーんだし」
「それはそうだけどさー」
「まぁ、監督生にはいいお灸になるんじゃないか?」
***
「それにしてもあの先輩といい、ディアソムニアってそんなに不思議な人が多いんですか?」
「まぁ、確かに特殊な奴が多いイメージかもな」
エースの説教から逃れて元の椅子に座り直すと残っていたカルボナーラを食べ切る。トレイ先輩が微妙な表情を浮かべながら頷いた。
「魔法全般長けた生徒が多くて、三年のマレウス・ドラコニアは世界でも5本の指に入るって言われるくらいだ」
「学生なのに凄いですね」
世界でって思うとかなり凄い、それをいくら名門とはいえ生徒でってことなんだから。
「マレウスくんはーヤバヤバのヤバって感じ?てかそれをいうならうちの寮長も激ヤバだけど!」
「ほんっとにな!タルト一切れ食っただけでこんな首輪を嵌めやがって!心の狭さが激ヤバだよ!」
「え、エース……それ以上はやめないと……」
エースの真後ろに立つ人影に気付いたケイト先輩の笑顔が固まった気がする。それくらいこのタイミングで現れるとヤバい人が出てきた。
「___ふうん?ボクって激ヤバなの?」
「そーだよ!あんなん厳格を通り越してただの横暴だろ!」
「ちょ。何で気づかないの?!エース、後ろ後ろ!!」
謝るために先輩探してたのにこれじゃ全然意味なくなっちゃう!
私の引き攣った声にエースが振り向くとさあーっと表情が青白くなる。
「でぇっ!りょ、寮長!!?」
「あぁ、もう。だから言ったのに……」
リドル・ローズハート先輩。エースたちの寮の寮長さん。
まさかこんなことになるなんて予想もしていなかった!これはまずい……首輪外してもらえないかも。それよりも保健室から逃げてきたのでものすごく気まずい!いや、自分のせいだけど!