The end of the story 【ツイステ】
第4章 stolenスイーツ!
「え、貰ってくれるんですか?」
「だってこれで毒入ってないって分かっただろ?なぁジャミル?」
「……まぁ、そうだな」
正直ここまでしなくても良かったんだぞとジャミル先輩は微妙な表情で言いながら薬を受け取ってくれた。
「何があったのかよく分からないけど、一件落着かな?……というか、カリムくんとジャミルくんたちばっかりずるいー!オレのこともケイトでいいよ!」
「お。なら俺のこともトレイって呼んでほしいな」
「分かりました…それでトレイ先輩の隣にいる方はどなたですか?」
ぱっと見、私より身長が数センチ高いくらい。先輩?かな。なんだか、大きめのジャケットがコウモリの羽を彷彿とさせる。耳が少し尖ってるからこの人も種族が違う?
「わしはリリア。リリア・ヴァンルージュ。ディアソムニアの三年じゃ、よろしく頼むぞ。わしのことも名前で呼んでくれると嬉しいのぉ」
「柊木ユウです、よろしくお願いしますリリア先輩」
「くふふ。珍しい名前じゃの、東の方の出身かえ?」
「確かにな。ユウの名前って姓より後だな。そういう風習は極東の方にあると聞いたが…」
「あ、いえ。私は少し特殊なので」
ここの世界の東の国がどんな国かは知らないけど、魔法があるだけで文化的に似てるのかな。
「ふむ…事情があるようだな。何か困ったことがあれば我らディアソムニアを頼るといい」
「いや、向こうの奴ら全然頼って欲しそうじゃないじゃないか」
エースの視線の先を見るとそこにはディアソムニアの生徒がこちらをじっと睨んでいるように見える。
確かに歓迎してる雰囲気はないね。
主に二人のうちの一人の生徒の視線が痛い。
「くふふ。それでは食事中失礼したな。では、またいずれ」
「わ、消えた!」
凄い!瞬間移動の魔法があるんだ!便利!!
「それじゃ、俺たちもここで失礼するよ。カリムは次移動教室だったろ?」
「もっと話してたいけど、そうだな……
じゃ、またな!!」
にぱっと笑って手を振るカリム先輩の手を引くジャミル先輩。まるで親子のようだと失礼ながら思ってしまった。
カルガモの親子?
カリム先輩ってこの学園の生徒たちとはなんか変わってる。
「おい、監督生?なーに、一件落着して安心してんの?
まだオレ怒ってるんだけど」
そうだった。エースたちの説教終わってない。