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The end of the story 【ツイステ】

第4章 stolenスイーツ!





何個かわからない作品もあるけど、どれも物語で悪役として扱われている登場人物ばかり。
この世界では彼らをケイト先輩で言うところのリスペクトしているのだ。
そして、伝わり方も捻じ曲げてから伝わっているみたいで悪役がまるで英雄のような印象を受ける。


流石はツイステッドワンダーランド、といったところだ。

それと一緒で私の記憶も捻じ曲げられたのだろうか。こんなにうっすらとしかストーリー覚えてないなんて。

「みんな名前がなげぇ!覚えられねぇんだゾ」
「うん、確かにどれも名前が長いね」
「あはは!ざっくりでおけおけ!そのうち自然と覚えるって」

「どの寮に入る日は闇の鏡に魂の資質で決められるというけど…まぁなんとなくキャラが固まってる感じはするな」
「それはあるねー」

キャラか……そもそもその魂の資質ってやつ、判断基準がよくわからないよね。魔力のない私、しかも女を連れてくるあたり。そこはせめてこの世界の人間を呼んでよって感じ。
異世界人まで巻き込まないで欲しい。


「例えばー……ほらアイツ」


クローバー先輩はしばらく周りを見回すと何かを見つけたのか一点を示す。私たちがその方向を見ると……い、犬耳!!?

そこには銀髪の体格のいい生徒が座っている。凄い筋肉だ。その生徒の髪にピクピクと揺れる犬耳がのぞいていて、しかも尻尾までご丁寧に存在している。耳……あの体格の良さで犬耳……いや、犬にしては大きいから犬じゃなくて狼に似てる…じゃない。

「あれは見るからにサバナクローって感じだ」
「あのゴツさだとねー。運動とか格闘が得意なタイプが多い寮だよ。肉体派っていうか?イカツイお兄系っていうか?黄色と黒の腕章を付けてるのがサバナクロー寮」
「いや、ゴツさとかの前にあの耳と尻尾……」

そういえば生徒になってそれどころじゃなかったから気づかなかったけど、食堂には彼の他にケモ耳を生やしている生徒はチラホラいる。その大半はサバナクローの腕章だけど、何人かは別の寮の生徒もいるようだ。ケモ耳を生やしてることが条件ってわけでもないんだね。


エースたちもそこまで驚いた様子がないからこの世界ではケモ耳と尻尾の生えてる人、それほど珍しくもなんともないってこと?

「私、耳と尻尾生やしている人は初めて見ました」

目を瞬かせて音に反応してピクピクと動く耳や尻尾が面白くてつい見てしまう。
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