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The end of the story 【ツイステ】

第4章 stolenスイーツ!




目の前にじっとこちらを見る灰色の目に気付いてその真剣さに思わず目を逸らす。
い、居た堪れない。ほっとしたように険しい表情を和らげる先輩が先輩だというのに可愛い……。ローズハート先輩は本当に女子のはずの私より可愛いし、この学園って妙にメイクしてる人がほとんどだから女子力で負ける。学校はメイク禁止だったからな。


「どうやら楽になってきたみたいだね。これなら運んでも大丈夫そうだ。少し失礼するよ……」
「ローズハート先輩、一人で行けます!流石にそこまでお世話になるわけには……」
「いいから上級生のボクの言うことを聞くことだね。途中でまた倒れたらボクの管理責任が問われるだろう」


先輩がマジカルペンをくるりと回すとふわりと体が浮き上がる。浮遊感にギョッとして声を上げると怪訝な顔をされた。


「う、浮いて……」
「?何をそんなに驚いているんだい。保健室に行くよ」
「お、降ろしてくださ……先輩だって授業があるはず」
「今日はボクたち飛行術の自習なんだ。担当はバスガス先生だから君を送ったらちゃんと授業に参加するさ」

そっかローズハート先輩って私が異世界から来たことまだ知らないんだった!!

スタスタと唖然とするグリムたちを置いて先輩は進んでいく。待って待って!!周りの人の視線が痛い!!

特にあの水色の髪の人!ニコニコしてるのに興味津々って目だよ!
何か裏を感じて怖い!!


「おい!ユウ!」
「ごめん、エース!食堂で合流しよ!」

我に返ったエースに一言叫ぶ。
あ、それから……

「グリム!私がいないからってサボろうしたら今日の夜ご飯抜き!!」
「ふな゛〜〜そんなの嫌なんだゾ!!」


よし、これで少しは大人しくなるだろう。



「君、以外と強かだね……元気なのはいいけれど、倒れたことお忘れかな?」
「ひゃい。すみません……」
「全く君は困った後輩だね……」

呆れ半分で小さく笑う姿を見て物珍しそうに見る双眼があったこと、

既にこの時から大事件の片鱗が見えることをまだ知らない。



「雑用係が生徒に入るとは聞いていましたが、あのリドルさんが目をかけているなんて面白いですね。
アズールに念のため報告しておきましょう。
………使えるかもしれません」


これから面白くなりそうですね。
厳格な赤き君主と不思議な気配を持つ少年を見て妖しく微笑んだ。


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