The end of the story 【ツイステ】
第4章 stolenスイーツ!
まるで本当に小人のような姿をしていて、『ドワーフ』鉱山にいたバケモノだから?
でも、あの衝突があったおかげでエースたちと少しずつ話せるようになったから終わりよければ全てよし……かな。
ただあのインク壺のような頭。
凄くアレを見ていたらと何か思い出せそうなのに途中で記憶が煙に巻かれるような感覚に襲われたのが、今も不思議だ。
それにグリムが飲み込んだ石…
あれ、確実にヤバイものだと思う。
あんなバケモノを倒した後に出たドロップ品。絶対に体に悪そう……そんなものをグリムはおいしそうに食べていたのだから。本当に困った子だ。
横目でグリムを見る。
机の上に座って最初はノートをとっていたけど、
グリムは既に飽きたのか大きく尻尾を揺らしている。 仕草が完全に猫……
って……トレイン先生は割と板書量と口頭で説明する分が多いから急いで書き写さないと。
この調子だとグリムはサボる可能性大だから図書館の多用と先生に質問しまくるしかない。
それだけ今まで知らなかった知識を詰め込むのって大変。
今まで算数や数学をやってこなかったのにいきなり因数分解や三角関数をやらされるようなものだ。
必死にノートに重要そうなところを書き写して、教科書を見てと繰り返しているとあっという間に授業は終わる。
正直デュースが隣でルチウスの声と一緒にトレイン先生の話したことを復唱して覚えようとしていて、ちょっと笑いそうになった。
私もよくどっか頭のネジ外れてそうって言われたことあるけど、デュースは天然さが更に飛び抜けてると言うか。こういう男子……世の中にいるんだなってほぼ天然記念物を見てるような気分だった。
「うぅ……オレ様はどーんと魔法を使う授業を受けたいんだゾ」
「こら。グリムはこの学園で勉強して大魔法士になるんでしょ?それじゃ、いつまで経ってもなれないよ。大魔法士になるには実際に魔法を使うだけじゃなくて、きっと沢山の知識を持ってないとグリムの目指してるカッコいい大魔法士って言えないんじゃない?」
「これも……大魔法士になるためなんだゾ……」
座学はグリムとは相性が悪いらしい。
グリムは渋々ともう一度ペンを取った。