The end of the story 【ツイステ】
第4章 stolenスイーツ!
そんなこと言われたって私はグリムと違ってここに来たくて来たわけじゃない。コネで入ったのなら今頃あんなオンボロ寮すぐに改装してる。
学費を払ってない分、色々言われることは覚悟してたから大丈夫だ。
それよりも正面に座っていたデュースが私より怒っていたからむしろ冷静になる。
「アイツら……」
「デュース、別にいいから私は気にしてない」
こういうのはしばらくすれば、勝手に収まることがあるし。怒るのって結構体力使うから。
怒りに染まる翡翠色の目を見て笑うとデュースはしばらくして渋々頷いた。
ほっと胸を撫で下ろす私は周囲の視線を気にしないように先生を見つめる。
「…そこ!駄犬ども、ビークワイエット!
俺はディヴィス・クルーウェル。気軽にクルーウェル様と呼んでもいいぞ」
「クルーウェル様……?気軽とは一体……?」
ぽかーんと先生を見つめた。あまりの衝撃に色々言われたこともすっかり頭から抜けて行く。
え、この学園はキャラ濃い人しかいないのかなあ。
駄犬って……しかも学園長の持ってる鞭とは違うタイプの鞭を持ってる。一つ聞きたいけど、それ流行りじゃないよね?
そういう趣味の人が多いの?
「まずは基本的な知識として薬草と毒草100種類の見分け方をお前達の小さな脳味噌に叩き込む。菌糸類はまた別だ。
散歩中に口に入れて中毒にならないようにいずれ覚えてもらう。犬はすぐ拾い食いするからな」
100種類か、まぁまぁ数があるから地道に覚えたほうが楽かな。でも、菌糸類の知識は確かに必要だ。
近所に山に行って知識なくキノコを口にして倒れた人がいたのを聞いたことある。こう言うことになる前に知識あって困るものじゃない。
「テストで赤点を取る生徒が1匹も出ないように厳しく躾けていくからそのつもりで」
「うげ、オレ暗記系は苦手ー」
「なるほど…………キンシルイってなんだ?」
「キノコだよ。カビと生き方は似てるけど、肉眼で見えるほど大きくなるのがキノコ……かな?」
確かそんな感じだったかな?
私も詳しくは知らないけれど……
「へぇ、君はどうやらそれなりの知識は持っているみたいだな。good boy!!」
「あ、ありがとうございます?」
先生は教壇の近くに座っていた私たちの会話を聞いてにやりと笑い、ぽんと頭に手を乗せた後教卓に戻る。
す、スマートだ。