The end of the story 【ツイステ】
第4章 stolenスイーツ!
「ふな゙っ!オレ様の輝かしいスクールライフ1日目にミソがついちまう!教室に急ぐんだゾ!」
「そういやお前とグリムの教室ってどこ?」
「し、知らねーんだゾ!?学園長から何も言われてねーし!」
「一年A組。エース達と同じだよ」
昨日の夜に置かれていた学園長からの手紙にそんなことが書かれていたような。
朝にもう一度確認しなかったけど、確かそんな内容だった。
「なら一限は魔法薬学か…着替える時間も必要だから急ぐぞ!」
「結局オレ魔法使えないままだけど……」
「仕方ないよ、会えなかったものは。それに私だって魔法使えないから多分大丈夫だよ」
慰めにもならないフォローを入れつつ、鏡舎に繋がる鏡に飛び込んだ。
***
魔法薬学室につくとジャケットの上に白衣を着て、ゴツゴツしたゴーグルも持っていく。おお、本格的だ。白衣なんて理科の先生が着ていたけど、まさか自分も着ることになるとは。
教室には大きめの机がいくつか置かれていて周りに実験道具が置かれている。まるで理科室みたいだ。
開始二分前くらいについたせいで私たち以外席についていて気まずい思いをしながら席に着くとすぐに先生が入ってきた。
若い先生だ…白黒の派手なコートを着こなしていてぱっと見、先生にはみえない。そして何より顔がいい……。
生徒だけじゃなく、この学園に入るには容姿端麗じゃないと駄目な決まりでもあるのか?エースたちも整っている顔してるけど、まだまだ中学から上がったばかりであどけなさがある。でも、先生はなんというか大人の色気?みたいなのがある。
じっと先生を観察しているとふとパチリと目が合う。
「ふぅん。君たちが学園長の言っていた新顔か」
「は、はい!柊木ユウです」
「オレ様は大魔法士になる予定のグリム様だゾ」
ざわざわとしたクラスの中、こちらに視線が集まっているのがわかる。その声は決して好意的や同情の声ではない。
「なんで名門魔法学校に魔法使えないやつが?」
「へぇ、アイツが噂のモンスターと雑用係?」
「どうせコネで無理矢理ねじ込んだんだろ?さっさと出て行ってくれないかな?」
「なんであんな奴と同じクラスになっちゃったんだろ。最悪…」
クラスの中だったけど突き刺すような言葉は酷くはっきりと聞こえた。