The end of the story 【ツイステ】
第4章 stolenスイーツ!
グリムの場合、魔法の制御を誤って庭園を燃やしてしまわないかハラハラしながらドワーフ鉱山での時のように指示を出す。といっても作戦が立てられなくて、魔法がくる方向しか言えないけれど。
ケイト先輩の魔法は流石三年生という正確さ。威力もエースと同じ風の魔法も使っていても段違いだ。
たった一人相手しているだけなのに。目まぐるしく動く撃ち合いにじっと目を凝らす。
目を離したらすぐにやられる!
色んな方向からやってくる魔法はたまに魔法の使えない私たちにも向かってきて、エースの持ち前の身体能力で手を引いて一緒に避けてくれるけど。
私たちとケイト先輩とは圧倒的な力の差がある。
こっちはデュースが大釜の召喚とグリムが火の魔法しか使えないのにケイト先輩は私たちの死角をついて色んな魔法で対抗してくる。
決着はあっという間についた。
「ふふ、つーかまえた。ユウちゃん、指示も的確だから中々決着付かなかったけど。
油断は禁物だよ♪」
「け、ケイト先輩、いつのまに背後に?!」
「こういうのは司令塔がいなくなれば、すぐに崩れるからね!じゃ、タルト持って出直してきてね♪バイバーイ!」
無理矢理庭園から追い出されて気付けば、鏡の近くだ。一体何なの?あの先輩……確実にグリムの魔法やデュースの大釜も確実に掠ってたのに。全くダメージが入っていないみたいだった。
「幻覚魔法か何かか?攻撃は確実に当たっていた……でも、痛がる様子は無かったし」
「幻覚?そんな魔法があるの?」
「あぁ。かなり難しい魔法ではあるが……」
「それよりタルト持ってないから追い出されるってオレらユウ以外全員最初から手ぶらだったじゃん!案内するって言ったくせに薔薇を塗るのだけ手伝わせやがって!!」
「ほんとちゃっかりしてるんだゾ」
そういえば……タルトのことも知っていて法律のことも最初から分かっていることなのに手伝いが欲しくてやらせたのか……
なんてちゃっかりした先輩だ!
「おい、今更思い出したのかよ」
「えへ?」
「笑っても誤魔化されないぞ?」
「やれやれ、しかしお詫びのタルト持って出直さないとか……って……ハッ!!!!やばい!!」
突然のデュースの大声に驚く。
しかし、その後続けた言葉に全員で我に返って青ざめた。
「もう予鈴の時間過ぎてる!!遅刻するぞ!」