第9章 運命【灰羽リエーフ】
あの綺麗でしなやかな身体にもっと触ってみたいなぁ
ハグじゃ足りない
どこでならできるだろう
…休みの日?
全然連絡先教えてくれないんだよな。
バレー部では研磨さんしか知らないって。
黒尾さんすら知らないんだって。
理由は、必要あるかな?学校で会えるもん。
それにわたし連絡マメじゃないから、さ。
なんだって。
だからまた運命みたいにぱったり会えない限り休みの日は無理。
じゃあ学校かぁ。
…部室?
でもなー流石にちょっと。
…トイレ?
お互いに合意してても無理矢理感を感じてそれはそれで燃えそう。
だけどもっとじっくり触りたいし、ちゃんと見たい。
あ、保健室!
保健室がいい!
授業中で、誰もいなければいいんだ。
先生も会議かなにかで抜けてもらって…
・
・
・
「…やった!誰もいないし、誰もくる気配なし!」
保健室にはだれもいなくって、先生もいない。
鍵とかいろいろ細かいことはどうにかなってる。
「穂波ちゃん、はい!おいで!」
『…え?』
ベッドに座って手を広げると
困惑しながらも俺に背中を向けて、脚の間にちょこんって座る
ほんとは向き合って座ってもらいたかったけど…
ま、いっか。
腰に手を回してぎゅってする。
いい匂い。 ゼラニウム。 俺の母さんが好きな匂い。
腰を丸めて肩に顔を埋める。
「ずっとこうしたかったんだよ」
『なっ リエーフくん… いきなりそんな落ち着いたトーンで話されると…』
「えっ なに? だめ? あ!それともドキッとした?」
『…ん ドキッとした』
「やった! 今からもっとドキドキすることしよう」
『………』
「俺も、穂波ちゃんもドキドキすること」
『…ふ 笑 リエーフくんは明るいね』
「…?」
『好きだよ、そういうとこ』
「………」
くしゃって笑ってそう言うけど…
言われたことも嬉しいし、
表情もすっごいかわいいけど!
でも、その余裕がつまらないな
もっといっぱいいっぱいにさせてみたい