第9章 運命【灰羽リエーフ】
運命の人に会ったんだ。
入学式の翌日、初登校日。
一緒に遅刻して、一緒に玄関の敷居を跨いだ。
その日のうちにキスもした。
穂波ちゃん。
あとあと知ったのは、彼氏がいること。
それがバレー部の研磨さんだったこと。
それから…キスしたこと気付いてなかったんだってこと。
俺の目の色に吸い込まれて、気付かなかったって。
それから、研磨さんのことが大好きなこと。
それでも俺は穂波ちゃんが好きなこと。
いっぱい笑っていて欲しいこと。
あんな困った顔もうさせたくないってこと。
あともう一つ、運命はひとつじゃないってこと。