第12章 例えばの話【孤爪研磨】

「散歩、行かなくていいの？」











自分で言わせたくて、遠回しに会話を続ける。
って思ってたのに、









『…行きたい』

「…ふ、じゃあ行こっか。　手、解くね。　服着て、行こ」










穂波が散歩に行きたいって言ったら、
じゃあ行こっかってなっちゃう。ずるいなって思う。









『…やっ』

「…や？」

『っち、違うの』

「違うの？」

『研磨くんとお散歩行きたい…』

「…うん？」

『でも研磨くんが欲しいの、ダメなの、今すぐ欲しい…の』










だめだ、一回本気で散歩行こっかってなっちゃってたから、
だからこそ、破壊力が半端ない。

やば… 穂波のこういう天然の色気みたいなの、
ほんといつまで経っても攻略できる気がしない。

このまま普通に甘く抱いてもいいけど。
でもそれは夜とか、わりと普通にやってる。

だから、今は。
このシチュエーションを楽しまなきゃ。

ここは、監禁部屋。











「これじゃ、物足りないの？」

『ひっ　ぁああっん』

「すごい声出てるけど、本当に？まだ欲しいの？」










外への刺激を再開してみれば穂波はよがりながら腰をくねらせる。
ナカに挿ってるのが動かないから焦ったいんだろ、
自分でイイとこにあてようと自然と身体が動いちゃってる。











『欲しっ…』

「………」

『まだっ　欲しいの…』

「…もっと強く？」










吸い付きを強にしてみる。










『…んんっ　やぁっ　ちがっ　違っ』

「違うじゃわかんない」

『焦ったい、玩具じゃ物足りなっ…
研磨くんじゃなきゃ　…っけないの』

「………」

『研磨くんじゃなきゃ、イけないの…』










…あー、最高。

それでいいんだよ、おれだけを欲しがって。
おれだけでイって。










「…そっか」











ここまで言わせて、
まだお仕置きするみたいにあげないのも楽しいと思う。
半ばおかしくなった穂波とか見たい。
焦ったすぎて襲ってきてくれてもいい。

でもそれはこれから長い年月一緒に過ごすんだから、
またそのうちに。