第7章 衝動と反応と【赤葦京治】
『…んと、ね? その… はじ…めて?』
「え… あ、うん。そうなんだ、キスするのも初めてで…」
『いいの?』
「え?」
『…もう、初めてのキスはもらっちゃったけど…
もっと深いのも、この先も… わたし京治くんが欲しくなっちゃってるの。
…でも、わたしがもらっていいのかな…って』
もっと深いの…? この先… 俺が欲しい…?
「…あ、えっと。 俺も穂波ちゃんのこともっと知りたいし、肌に触れていたい」
『…ん。嬉しい。 …じゃあ、さ、ひとつだけいい?』
「ひとつといわず。 …何?」
『あの、ね。 舌、出して?』
…舌?
少しずつ様子を見ながら舌を唇の隙間から出していく
ふっと舌の先に柔らかくて暖かいものが触れる
ちろっちろっと何度か触れたのちに
ゆっくりと俺の口内にそれは入り込んでくる
穂波ちゃんの舌だ。
舌と舌が触れるだけで、こんなに…
ダメだ、もう思考がついていかない
穂波ちゃんの優しく艶かしい舌の動きに応えるように
俺の舌も勝手に動いていく 絡めるように、撫でるように…
深く、深く口付ける
深くキスを交わしているうちに、
俺の手は勝手に、より柔らかい場所を求めるように穂波ちゃんの服の上を滑っていく