第7章 衝動と反応と【赤葦京治】
…引き止めたはいいが、ここからどうすればいいんだ?
どこかで食事? あぁわからない。
『…京治くん、うちくる?近くはないけど』
「え?」
『数日、両親仕事でいないんだけど…えっと………』
少し恥ずかしそうに目を伏せている、
その表情もまた愛おしい。
「穂波ちゃんがいいのなら、是非」
『うん、じゃあ、来てくれる? 簡単なものなにか作るよ』
「もちろん、喜んで」
穂波ちゃんは俺の手をとり指を絡める。
手を繋いで、ホームへと歩き出す。
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地下鉄で池袋まで出て、池袋で乗り換えた。
どちらの車内も混んでいて、
穂波ちゃんを少しでも人混みから守ろうとすると自ずと身体が密着してしまう。
『………』
「ごめん」
穂波ちゃんの柔らかさ、匂い…
身体が反応してしまう。
…ちょっとこれは、まずいんじゃないか、いくらなんでも。
離れたくないと勢いで言ってしまった上に、
今から家にいくという状況で身体がこんな風に反応して、
そしてそれが思い切り穂波ちゃんに押し付けられるかたちになってる。
『…ん、気にしないで。 家まで待っててね』
家まで待っててね? どういう意味だ?
落ち着け、俺。
何か違うこと、バレーのことを考えよう…