第12章 例えばの話【孤爪研磨】
手っ取り早いのは軽い監禁、だよね。
おれの家には部屋はそれなりにあるし、庭もある。
お金もあるから別に穂波が仕事する必要はない。
だから大学も行かなくて良い。
おれといればいいんだよ、おれの、おれだけの穂波として。
おれが家にいる時はこの家の中では好きに過ごして良い。
おれといる時は外にも出れるんだ、散歩みたいにしてもいい。
軟禁と監禁どっちも、みたいな。
おれが大学とか用事で外出してる時にだけ、
家からじゃなくて部屋から出られないようにするんだ。
ちゃんと、ベッドの上とかそういう、
穂波の身体になるべく負担のないところで縛ってさ、
最初は縛るだけでも効くとは思うけど、
縛るだけじゃおもしろくなってくるんだよね。
だから…
『おねがっ…これやだぁ…』
いつものように玄関から一番遠い部屋、
引越し当初は誰かが泊まる時とかに使えば良いと思ってわざと空けてた部屋に
朝の色々を終えた穂波を連れて行って腕を後ろで縛る。
ストロータイプの水筒をストロー出した状態で机に置いてって。
脱水とかもこわいから一応、スポドリも同じ状態で用意して。
簡易トイレも置いておく。
監禁部屋についてはこれからもっとアップデートしてこうとは思う。
柵もありだよな、とか。
柵なんてなくても出れなくしてるけどなんか、視覚的にもそそるよね。
まぁとにかくその部屋でいつも通り腕を縛ってから、
穂波の身体をを弄ぶ。指や、舌を使って。
いつもはもっと欲しくてたまらなくなる頃合いで止めて、
キスをして部屋を出るんだけど。
今日はおもちゃを用意した。
ぐちゃぐちゃに濡れた穂波の中にそれを挿入して、
携帯に入れたアプリでスイッチを入れる。
中だけじゃなくて、外も吸ったりしてくれるやつらしい。
感度がいいからこそ、こんなニセモノじゃ物足りないだろうけど
感度がいいからこそ、それなりに気持ちよくもなるだろ。
「やだじゃないでしょ?これはお仕置きなんだから。
口答えはしちゃダメだよ」
『…ごめっ ごめんなさい…んぁっ おねがっ 一回っ…』
一度動きを停止すると、安堵の表情を浮かべる。
恐怖も安堵もおれによって作られるその様は、たまらなく愛おしい。