第2章 すきなひと。(総北逆ハー)
「、ありがとな」
「はいっ!あ、みんな100本目が一番タイム良かったんですよ!すごいですっ!」
本当に嬉しそうにそう話すから、みんなまたやる気が出ちまうんだよなぁ。
ホント、お前は総北のモチベーションだよ。
「小野田、俺のタイプは」
「…っわわ!?」
「「「!!!?」」」
小さく笑いながら手嶋がの腕を引き寄せる。
突然の事に驚いたの腕から抱えていたボトルがコロンと地面に落ちて転がった。
「俺のタイプは、いや、タイプって言うのも変か。好きなヤツ、だな」
手嶋の爆弾発言にその場の空気が一旦止まり、
「はぁぁぁぁ?!?!ちょっ…何いきなり告ってんすか!パーマ先輩ッ!!ワイより先に言わんといて下さいっ!」
「そーすよ!そーすよ!手嶋さんっっ!!ダメっす!さんに甘やかされたいんです!俺はっ!」
「鏑木、お前もいきなりす変態発言すんじゃねぇ!」
「どこが変態なんすか!今泉さんっ!」
「……えぇ?」
一気に空気が爆発した。
「やっぱりみんなが言ってたタイプの人ってさんの事だったんだ」
「小野田くん…こ、これは…」
「争奪戦が始まるな」
「あ、青八木さん…?」
事の経緯が全く読めないはただただしどろもどろになるだけだった。
『好きなヤツ、だな』
でも、手嶋のその言葉だけはずっとグルグル頭を回っていて次第に顔が熱くなる。
そんな様子を見た青八木が、
「さしずめ、純太が一歩リードって所か」
なんて言うものだから。
「青八木さん!全然リードちゃいます!!スカシィ!カブ!手嶋さんっ!!ワイは負けへんで!絶対ちゃんのハートをモノにしたる!」
「譲れないのは俺も一緒だ鳴子!俺が一番アイツを想ってる!」
「だぁーかーらっ!ダメですって!俺だって譲れないっす!」
「「一年は身を引け(や)!!」」
ますますヒートアップしてしまって、は恥ずかしくて堪らなくなっていた。
「こんな形で言っちまったが、俺は本気だよ。おし!じゃあ練習戻るか!」