第2章 すきなひと。(総北逆ハー)
何事もなかったように爽やかにその場を去る手嶋の背中をは顔を真っ赤にして見送った。
「手嶋さんにだって俺は譲らねぇからな」
「へ…っ?今泉くん…?!」
「アホ抜かせ、スカシ!ワイが一番ちゃんに相応しいヤツやっちゅうねん!」
「鳴子くん…!恥ずかしい事言わないで…!」
の両肩に、今泉鳴子それぞれの片手が乗る。
「ちょっとー!俺だって負けませんからね!?聞いてますか!今泉さん!鳴子さーん!!」
自転車の元へと向かった今泉と鳴子の背中を鏑木が追いかける。
急にポツンと取り残されたは熱を持った自分の頬をそっと手で押さえた。
「これから大変だな」
「あ、青八木さん…?」
「俺のおすすめは純太だ」
「ちょっ…!!青八木さんっ!」
「青八木さん、僕も行きますっ!あ、さんの好きなタイプも今度よかったら聞かせてくださいね!ボトルありがとうございました!」
「お、の…だくん…」
ニコニコと立ち去ろうとしてるけど、全ての始まりは君なのでは。
と、はなんとなく思い始めて苦笑いを浮かべた。
その日以来、
手嶋、今泉、鳴子、鏑木はと言うと恋愛と言う土俵でもお互いをライバルだと認識したため、自転車練習でも拍車がかかって競い合っているのだとか。
そして今もの好きなタイプは明かされないままである。
(言えるわけ、ないよ…だって私の好きな人は、)
end.