第4章 ※王者の裏側(新開隼人)
「…んん!はぁ…っ、くる、し…」
「まだまだ、まだまだだよ。もっと染まりきんないと」
長く長く続くキスの嵐。
呼吸も上手く整えられない。
新開の長い舌は容赦なくの舌を貪る。
「はぁ…っはぁ…っ、新開、く…」
「他の奴の入る隙間がまだあったんだ。それってさ、まだ俺で満ちてないって事だろ?」
「…み、ちる……」
「そう、ココロもカラダもさ…全部『俺』で染まって満ちていないと」
本当は火曜日だけじゃなくておめさんの全てを満たしたい。
だけど、それはルール違反なんだろ。
だったら決められたこの日だけは他の奴の入る隙間なんざ作らせないさ。
「あっ…!え…?あ、れ…?」
「今気が付いたかい、そりゃキスに夢中になり過ぎだ」
気が付いた時にはの着ていたものは全て脱がされてしまっていた。
新開のそんな手際の良さには少し不満気な表情を浮かべた。
まるで経験値の差を見せ付けられたようで。
「今はおめさんに夢中さ」
「…!」
「いや、違うな」
新開の指が露わになったの背中をなぞる。
「誰かに夢中になった事なんてなかったな」
「……っ、」
ウソ、そう言いたかったのに熱の篭った新開の目を見たらその言葉は飲み込んでしまった。
「昨日、寿一は抱かなかったんだってな」
「…!なんで、それ」
「本人に聞いたよ」
白い肌が桃色に染まる。
ぷっくりとした唇を噛み締めて恥ずかしそうにこちらを睨み付けている。
少しも怖くなんてない、ただただ愛しいよ。
それだけさ。
こんな彼女を前にして抱かない選択肢をした寿一は強いな。
俺には到底無理だ。
「…っんぁ…!やぁ…新開、くん…んぅ!」
柔らかな膨らみに手を伸ばし荒々しく揉みしだく。
抱き寄せて赤くなっている耳に舌を伸ばした。
耳が弱い事、知ってるさ。
それが俺だけじゃない事にどうにかなっちまいそうだよ。
耳、首筋、鎖骨、腕、そのまま胸へと新開の舌が這う。
触れぬ場所など一つも残さないと言うように丁寧にじっくりと舐めていくのだ。