第3章 ※王者の裏側(福富寿一)
「目の下に隈があるな、眠れていないのか」
福富の指がその滑らかな頬の上をそっと滑る。
小さな手がその手に重ねられて優しく握る。
「そんな事ないよ、ちゃんと寝ました」
「…そうか」
箱根学園自転車競技部のトレーニングルームの更に奥の小さなこの一室は特別な一室だ。
特別な選手、所謂主力の選手以外は一切立ち入る事が出来ない。
防音設備の整ったこの部屋は鳥籠と呼ばれている。
そこにいるのは小さな鳥…と言う女生徒だった。
彼女の役目はただ一つ。
主力の3年生部員の性を満たす事。
曜日によって決められているローテーション。
今日は、月曜日キャプテン福富のその日なのだ。
「こい、」
小さな部屋にベッドが一つ。
あまりに不自然なその環境にもいつの間にか慣れてしまった。
ベッドに腰掛けた福富が片手を差し出すとはそっとその手に自分の手を乗せる。
そのまま手を引かれ、福富の膝に跨る様にして座ればぎゅっと抱き締められた。
もそれに応えるように福富の背に腕を回す。
肩にコツンと頭を預ければ優しく髪を撫でられた。
それが気持ち良くて、もっと、と強請るように擦り寄った。
「猫みたいだな」
「猫?ふふ、ここは鳥籠なのに?」
ピッタリとくっついていた2人の間が少しあいて、福富がのシャツのボタンに手を掛ける。
同じ様にも福富のシャツのボタンに手を伸ばそうとしたが、それは福富に制された。
「俺は先週してもらったからな、今週はいい」
「え…でも、」
「お前の顔を見ただけで満たされているからな」
「福富、くん…んっ、」
「今日は俺がお前を満足させて終える」
いつの間にか外されたブラのホック。
スルリと腕から擦り下ろされて露わにされてしまった。
「変わらず、綺麗だな」
「ひゃ…ん…っ」
福富の大きな手が2つの膨らみに触れる。
触られる前から主張していた頂きを指で弾けばから甲高い声が漏れた。
「あぁ…っ」
「もう濡らしているのか」
「あっ…!やだ、違…っ」
太腿を撫でられ下着のラインをなぞられると背中に電流が走ったみたいに気持ちいい。
違うと口では言いながら、の奥からは熱い蜜が溢れてきていた。