第3章 ※王者の裏側(福富寿一)
胸を持ち上げて頂きを口に含む。
舌先で小刻みに弄ればは快楽で顔を歪めた。
「良い顔だ」
初めてこの鳥籠の存在を聞かされたのはいつだったか。
ひどく衝撃を受けたのを覚えている。
勝つためなのだと先輩たちから受け継がれてきたこの異様な伝統は結局自分の代でも続いているのだ。
今でも、時折違和感は感じている。
だが、俺たちは負けていない。
それが事実だ。
何より、
「はぁ…ん、福、富く……んぁ…っ、」
「下も弄るぞ」
俺がもうこの淫らで綺麗なを手放せそうにないのだ。
の下着をずらして福富は指を伸ばす。
ぬるりと湿り、熱くなったソコは更に奥へと福富の指を迎えようと震えていた。
「腰が揺れている」
「や…違、勝手に…動いちゃ…んんっ!」
ツプリと指を沈めれば簡単に根元まで飲み込まれてしまう。
それほどに濡れていたし、のナカは福富の指を飲み込もうとうねっていた。
「福…と、みくん…!あぁ…っ!ダメぇ…!」
「ここだったか、お前のイイトコロは」
この数ヶ月で知り尽くしたの身体。
蕩けた顔、半開きの口からは涎が伝う。
福富はそれを舐め取るとナカの指を増やしピンポイントで掻き回す。
「あっ!あぁ…っ!やぁぁあ…イっちゃう…からぁ!!」
福富の手を止めようとするものの、力がまるで入らない。
「良い、そのままイけ」
耳元で響く福富の低音がから更に抵抗する力を奪った。
「あっ、ん、ダメぇ!!イ、く……ッ!!んん…っ!」
呼吸が止まりそうになり、目の前が白く光る。
そのままは、フッと電池が切れた様に意識を飛ばした。
小さな寝息が聞こえてきたのを確認すると福富は小さく笑った。
普段あまり表情を崩さない福富がだけに向ける優しい笑み。
「やはり寝不足なのだろう、ゆっくり休め」
の服の乱れを整えるとベッドにそっと寝かし布団を掛けた。
そして額にキスを落とす。
「あまり無理をするな、」
俺たちの勝利の為にお前がいるのなら、俺はお前に勝利を捧げたい。
そうしたらお前は、おめでとうと笑ってくれるか。
福富はの頬を再び撫でると、この小さな鳥籠を後にした。
end.