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君に届くまで

第72章 忍界大戦5



3、40人はいただろう人の集まりを僅か2分弱で見終わり、レンは元の場所に戻ってきた。

「…疲れた。」

レンは戻って早々に座り込んだ。

「意外にかかったな。途中つっかえてたのは何だったんだ?」

シカマルは懐中時計を見てからレンを見た。

「邪気擬きがあるのすっかり忘れてて。こっちに戻ってから見えるものだったんで失念してました。」

邪気と邪気擬きが混在すると一瞬の判断がどうしても遅れてしまう。

「また何か新しい用語が出てきたぞ。」

シカマルは少し困った様な面倒そうな微妙な顔をしながらレンを見る。

「邪気は白い奴で、邪気擬きは普通の人間です。とりあえずそれだけ覚えといてください。」

レンも長くなりそうな予感に面倒くささを感じ、ざっくり要点だけを伝える。

「ねぇ。それ、間違えてないわよね?」

いのは少し不安気にレンに尋ねる。

「大丈夫です。その度に止まって確認しましたから。」

「違いがあるの?」

「ありましたね。邪気は噴き出すように出ていて、邪気擬きはその人の周りを漂っているだけでした。後は嫌な感じがあるかないかでしたね。」

「ふ〜ん…。」

いのには感覚が分からない為、少し胡散臭そうにレンを見る。

「俺も後ろから見ていたが、ちゃんと選別出来ていたと思うぞ。」

薬研は微苦笑を浮かべて、いのを見た。

「まぁ、それは後で詳しく教えてもらえ。こっからは俺達の出番だ。」

シカマルが声をかけると、いのとチョウジがシカマルの両隣に並んだ。

「手前のあの人をやるのね。」

いのが標的を確認するとシカマルは頷き、チョウジを見る。

「チョウジ頼んだぜ。」

「任せといて。」

彼は肩を少し回しながら歩き出した。
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