第72章 忍界大戦5
「シカマル!いるか!?」
鶴丸と薬研は慌てて本部のテントへと駆け込んだ。
鶴丸に背負われたレンは、彼の背中でぐったりしている。
「また何かあったのか?」
シカマルはやれやれといった様子で席を立ち上がる。
その側には、いのとチョウジの姿もある。
「レンを助けてくれ!あ、いや、それよりも白い奴が出て大変で…!」
「気付け薬か何かないか…!?それと、見回りも増やしたくて…!」
鶴丸と薬研はしどろもどろに訴えるが、支離滅裂でシカマルには伝わらない。
だが、鶴丸の背でぐったりしているレンを見て、眉を顰めた。
それは、レン程の実力者が深傷を負う程の敵が陣営に紛れていることを意味するからだ。
「ちょっと落ち着け。順を追って話してくれ。」
そう言って2人を宥めると、シカマルはいのを見た。
いのはそれだけで彼の言いたいことを理解すると、一つ頷き、レンへと近づく。
「傷の具合を見せてくれる?」
いのは鶴丸に、レンを下すようにと指示する。
彼は黙ってレンをその場に下す。
「怪我はたぶんしていない。血を見て倒れたんだ。」
「レンは血を見れない性格でな。見ると体を硬直させてしまうんだ。」
鶴丸の説明で足りないものを薬研が補う。
「「…はあ?」」
それを聞いたシカマルといのは、思わず胡乱な顔で聞き返した。
どんな怪我なのかと思いきや、血を見て倒れた?
それだけ?
2人は唖然として彼等を見る。
鶴丸と薬研はきょとんとしてシカマルを見返すが、レンは空気で感じ取り、少し首を竦めた。
「…め、面目ないです。」