第72章 忍界大戦5
「…これは本当に戦争か?」
「予想外が多過ぎて頭がパンクする…。」
這う這うの体で逃げてきた鶴丸と薬研は、陣営に着くなり空いている場所に寝転がる。
その近くにレンも座り込み、後ろ手をついて休む。
「私も予想外が多過ぎて疲れました。」
結局、白い化け物や穢土転生を封じ切るは出来なかった。
あと少しでケリが着くだろうと思ったところで、突然見上げる程大きな人型の化け物が現れたからだ。
それにより、戦局は有利から不利に一気に傾いた。
何せ化け物の大きさが大きさだけに、一歩歩けば人間なんて踏みつけられて終いだ。
レン達もなす術なく、逃げ惑うしかなかった。
秋道家親子の活躍がなければ、死傷者はもっと増えていただろう。
「レンはあの化け物を知っているのか?」
鶴丸がぐったりしながら尋ねるが、レンも知らない為、首を横に振る。
「初めて見ました。突然現れ、突然消えるところを見ると、何かの術であることは確かですが、全く見当がつきません。」
レンは夕暮れから宵闇に変わる空を見上げる。
晴れていた空は、いつの間にか雲に覆われていた。