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君に届くまで

第70章 忍界大戦4



シカマルは、光が戻ったレンの瞳を見て、ふっと笑うと、また戦場を駆けて行った。

まだ、戦いは続いている。
立ち止まってはいられない。

胸はズキズキとまだ痛むけれど、前を向いていられるだけの余力は取り戻した。

レンは、大きく深呼吸した。
そして、眠るリヨクを振り返り、手をそっと当てる。

「リヨク…。私、行くよ…。」

呟くように言った言葉に、少しだけリヨクの口元が綻んだ気がした。
それを見て、レンも少し笑った。

レンはリヨクに背を向ける。

「…行きますか。まだやることがありますから。」



だが、薬研は心配でならなかった。
それは鶴丸も同じで、彼はレンの手をぎゅっと握りしめる。

「…本当に大丈夫なのか?大将…。」

「レン…。キミだけは絶対守るからな。」

心配そうに見る2人に、レンは首を横に振って応える。

守られるのではなく、守らなければ。
それこそ、立ち上がった意味が無くなってしまう。

「大丈夫です。問題ありません。さっきと同じ要領でいきましょう。白い奴は鶴さんが、穢土転生は私が処理します。薬研は陽動と撹乱をお願いします。」

すっかり元通りの様子に、鶴丸と薬研は顔を見合わせた。
そんな2人を見て、レンはくすりと笑う。

「早く終わらせて帰らなきゃ。でしょ?」

レンの微笑みに、2人の顔にも漸く笑顔が戻る。

「あぁ、そうだな。」

「よし、さっさと終わらせて帰るぞ。」

薬研と鶴丸は、また走り出した。

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