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君に届くまで

第68章 忍界大戦2



レンは何気なく周りを見渡した。

木の葉の忍の向こうには霧隠れや砂隠れが見える。
互いに互いを牽制し合ってはいるが、同じ目的の為に共闘をする意思は見て取れる。
反対側を向くと岩隠れや雲隠れが共存している。

レンは、もしもの話はあまり好きではない。
ないが、つい考えてしまう。
もしも自分が生まれたばかりの頃にこんな風に忍が手を取り合うことが起きたなら、自分の運命は変わっていたのだろうか、と。
不毛だと思うが、こうも実現不可能と思われたことが目の前に広がっているとそう思わずにはいられない。

この忍服もその一つだと、改めて手元を見る。
視界の端には緑のベスト。
表の忍達が着る服で、自分には決して縁の無いものだと思っていた。
自分が木の葉の一人としてここに立っているのが不思議でならない。


レンは澄み渡る青空を見上げた。

木の葉の一助となること。
それが今、自分の思わぬ形で叶ってしまっている。

それは感慨深いような、力不足を感じるような、何とも言えない心地だった。

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