第68章 忍界大戦2
「何やってんだ、あんたら。」
声をかけられ、そちらを向くとシカマルだった。
しかも何故か呆れ顔を向けられている。
「何って…、整列ですよね?」
レンは首を傾げる。
呆れられることをした覚えはない。
「いや、そうじゃねぇだろ。…ったく、めんどくせぇ。」
シカマルは一つため息をつくと、レンの腕を取り、ずんずんと人混みの中を進み始めた。
鶴丸と薬研も慌てて後を追う。
「いや、ちょっと?」
レンは何故連れていかれるのか分からず声をかけるが、シカマルはちらりと見ただけで答えない。
「シカマルとか言ったか、お前。レンの手を離せ…!」
鶴丸は、シカマルに取られているのとは、反対側の腕をひいた。
途端に歩みが止まり、シカマルは渋々振り返った。
「…痛い。」
「我慢しろ。」
レンは鶴丸をジト目で見上げるが、鶴丸は見向きもせず、シカマルを見据えている。
彼は、勝手にレンを連れていくシカマルが許せないのだ。
木の葉の一室でのことがまだ尾を引いているのだろう。
それを見て取ったシカマルは、げんなりしながら口を開く。
「…あん時ゃ、悪かったよ。」
謝罪が出てくるとは思わなかったのか、鶴丸は瞠目する。
と、同時に手が緩んだ。
「後ろで陣取られたら悪目立ちして敵わねぇんだ。大人しくこっちに来ててくれ。」
言い終わるか終わらないかの内に、シカマルはまたレンの腕を引き始める。
「あ、おい!」
鶴丸は焦った声を出し、2人は慌てて後を追いかけた。