第68章 忍界大戦2
「俺達の正体はこれだ。」
そう言って、鯉口を切って刀をちらりと見せた。
「…刀?」
「そうだ。俺達の本当の姿はこの刀だ。俺のこの姿は言わば仮初の姿。つまり、刀が傷つくことで怪我を負い、刀が折れれば刀ごと仮初の姿も消え去る。」
「……!」
サクラは鶴丸の腰に差してある刀をまじまじと見る。
「俺達は刀の付喪神なんだ。」
薬研が鶴丸の言葉に付け足すように言うと、サクラは薬研を見て、やはり腰の刀を見る。
「怪我を治すには、玉鋼を使い、主であるレンに刀を修復してもらうより他はない。」
「だから、”成り立ちが違う”…。」
サクラは自身の中で噛み締めるように呟いた。
「そういうことです。けれど、薬研は人間と同じように筋肉痛を起こし、あなたに修復してもらえた。だから怪我も治るのでは、と思ったんです。」
レンが冒頭に話を繋げる。
「そうなのね。」
サクラも腕を組んで考える。
「薬研さんを見た感じ、普通の人と変わらなかった。筋肉は勿論、細胞組織、内臓、体や臓器の形…。だったら試してみる価値はあると思う。
もし怪我を負うことがあったら私の所に来て。試してみましょ。」
「そうですね。その時はお願いできますか?」
「勿論、任せて。」
サクラは穏やかに笑った。