第67章 忍界大戦1
ぐにゃりと何かが歪むような感覚を覚えた。
気持ち悪い、思うが、どうにも出来ない。
暫し耐えていると、眩い光が消えて暗闇に包まれた。
レンは視界を塞ぐように覆っていた両腕を下ろし、辺りに目を凝らす。
先程の光で、視界がやられていて状況が把握出来ない。
自身の腕を掴んでいるのは、鶴丸と薬研だと確認出来た。
巻き込んでしまった、と苦く思いながらも、更に注意深く辺りを見回した。
風がない。
地面は岩。
擦れた砂の匂い…。
ここは…あの時の遺跡、だろうか。
ジャリ…
砂の擦れる音…つまり人がいる。
囲まれてるのか。
何人だ。
誰だ。
「レン…。」
小声で鶴丸に呼びかけられた。
「大将…、囲まれてる…。」
薬研は強張った声を出し、そっと短刀に手を伸ばす。
「やっぱり…。」
レンは静かに氷遁の印を組んだ。