第66章 おわりのはじまり
「さて、じゃ次は乱と獅子王でいきますか。お相手します。」
「あ、ボク刀置いてきちゃった。」
「俺も取ってくる。」
乱と獅子王は木陰に置いてある刀を取りに行く。
「休まなくて大丈夫か?」
「平気ですよ。まだまだ力が有り余ってますから。」
鶴丸が尋ねると、レンは軽くストレッチをして体をほぐし始める。
「相変わらずタフだな。」
「そうですね。体力には自信があります。」
ストレッチをしながら薬研に返した時、俄に左手に違和感を感じた。
「……?」
レンは動くのを止めて左手の甲を見ると、
「…何で…!」
見覚えのある方陣が浮かび上がっていた。
そして、それは瞬く間に眩しい程の光を放ち、レンを包み込む。
「「レン!」」
薬研と鶴丸は息を呑み、同時にレンの元へと駆け出した。
2人が間一髪レンに追いついて彼女に触れると同時に、一際光が強くなり、3人は忽然と姿を消してしまう。
「…うそ…。レンが…。」
「…そんな…。」
残された乱と獅子王は突然のことに、力なくその場にへたり込んだ。