第62章 バーベキュー ーその2ー
「確かに、五虎退は止めの方に回らない方がいいだろうな。小夜はどうする?」
薬研は五虎退に頷いてから、小夜に尋ねる。
「僕はどちらでもいいよ…。」
「んじゃ、止めの方に回れるか?俺は追い立てる方に回る。」
「わかった。」
「レンはどうするの?」
見ていた加州が尋ねた。
「上から見て危なそうだと思ったら入ります。」
「よし、決まったな。なら、追い立てる係は鹿を取り囲むように配置に着いた方がいいだろう。」
薬研が纏める。
「じゃ、俺達はポイントに潜んで待ち構えてればいいね。」
加州が確認する。
「なら、私が破裂玉を打ち込んでからスタートでいいですね。」
「破裂玉?」
乱が尋ねる。
「風船が破裂するような音を出す術です。通常は相手の聴覚を麻痺させる、或いは鼓膜を破る時に使うんです。」
「こわっ!何それ!それ味方がいる時に使って大丈夫なの?」
「小さくするんで大丈夫だと思うんですが、心配なら耳塞いどいてください。」
「ほんと、レンって滅茶苦茶だよね…。」
大和守は乾いた笑いを零す。
「さて。じゃあ、配置に着いてください。」