第47章 政府の企み
「私も同感です。いくら考えても、小型機が彷徨いてる中で、私が出来る行動って無いんですよ。
そこで、私にちょっと考えがあります。」
レンはニヤリと笑う。
今度は何をするつもりなのか。
「先ずは、こんのすけからの伝言です。”審神者の命令には従う必要はありません。”だそうです。」
「…はい?」
「どういう意味…?」
彼等は一様に解せない様子で首を傾げる。
「意味はその内わかります。それが私の考えでもありますから。どこで何を聞かれているか分からないので詳しくは言えません。それと…、」
言いながら、レンは加州を探す。
「加州さん、やっぱり転移装置を貸してください。」
レンは加州の側に行き、彼にお願いする。
だが、加州は眉を顰めてレンを見るだけで何も言わない。
レンの言うこともわかる。
この状態を見れば、政府に敵意があることは明らかで、放っておけば遠からずレンの身が危険に晒されることになるかもしれない。
わかるんだけど。
もし、そのままいなくなってしまったら?
この前みたいに。
節子さんみたいに…。
加州は、どうしてもその恐怖を拭うことが出来ない。
「…万が一、私の身に何かあった場合のみに使用するって条件でどうです?転移先の範囲も、そう遠くへは行かないって条件も足します。」
レンは加州の逡巡を読み取る。