第7章 五虎退の頼み
似ていると思った。
レンは庇われたわけではないが、自分のせいで兄弟が、というのが、よく似ていた。
「分かりました。」
気付けばそう答えていた。
燭台切の顔が頭によぎった。
怒りそうだな、とレンは思う。
けれど、レンの中に断るという選択肢はもう無い。
「私が出来ることは何でもしましょう。」
レンがそう言うと、その子は弾かれた様に顔を上げた。心なしか靄が薄くなった様にも思う。
「ただ、その前に…。」
断られるかな、と思いつつ言葉を続ける。
「手当て、しませんか?」
傷だらけの見た目と血の匂いは、どうにも直視出来ない。