第47章 政府の企み
ーー2日前ーー
ロープが張られてから、数日後。
建設場所には鉄骨が組まれ、気がつけば青のシートで全体を覆われてしまった。中で何をやっているのかは外からは全く窺い知れない。
気になった一同は、ある日の夜にシートの中を見に行ったのだ。
「何か、埃っぽいね。」
「そりゃ工事してるんだから土埃くらい立つだろ。」
「しっかし、でっかいな。大広間くらいはあるんじゃないか?」
「いや、そんなにないだろ。何もないから広く見えるだけさ。まぁ、1人分にしてはでかいよな。」
加州、太鼓鐘、厚、薬研が思い思いに話す。
レンも彼等に続いて中に入り、施工区画を見ていく。
確かに広い。
区画内でも更に区切られ、何やら印が付けられている。
「レン、地下を作るみたいだぞ。」
鶴丸が楽しそうに手を振っている。
彼が立っている所まで行ってみると、大まかにだが落とし穴のように穴が掘られていた。
それを見たレンは眉を顰める。
地下、と聞くと、いい記憶は無い。
「レンは嬉しくないのか?」
鶴丸はレンの様子を不思議そうに見遣る。
「そうですね。地下と聞くとどうしても捕虜を捕まえておく場所という印象しかありませんから。」
「…こりゃあ、驚いた。これがカルチャーショックってやつか。」
鶴丸は話を聞き、改めてレンは今まで戦いに身を置いてきた人間なんだと思い直す。
普通は地下と聞いて幽閉を思い出す者などいない。
「よくわかりませんが、普通は違う印象を持つようですね。」
「そうだな。どちらかというと、秘密基地のような隠れ家のようなイメージじゃないか?」
「そうだね。僕もそういうイメージかな。」
鶴丸と燭台切の言葉に、ふ〜ん、とレンは相槌を打つ。
普通は喜ぶものなのか、と。