第33章 喧嘩
「こんのすけと連絡が取れなくなったんだ。」
燭台切は皆を近くに集めると、そう切り出した。
「そもそも、こんのすけとどうやって連絡するんだ?」
太鼓鐘が彼に問いかける。それを見て、レンも燭台切を見ると、互いに黙って頷いた。
「政府が視察に来た後、こんのすけが訪ねてきたので、燭台切とすぐに連絡が付くように契約してもらいました。」
「レンが自分で呼べばいいじゃん。」
何の含みも無く太鼓鐘はレンに言う。
「私は何の契約もしていません。なので、こんのすけと連絡が取れません。」
この答えに、皆が騒然とする。五虎退と燭台切は知っていたとは言え、改めてレンから聞くと複雑だ。
「私はこんのすけから、何もせず、ただここに居るように、と頼まれただけです。」
「それって…。」
「じゃ、レンは、ただここに住んでるだけ?審神者じゃない?」
「はい。ここまでされたら流石にわかります。私は審神者ではありません。」
レンは落ち込むこともなく淡々と事実を述べる。
「変だと思ったのは、割と最初からでした。
審神者になってくれ、でも何もしなくていい。そう言われた時から違和感はありました。
また、手入れをしたいと相談した時、こんのすけは政府に確認する、と言ったんです。私が審神者なら確認する必要って無いですよね?
遠征に制限がある事も違和感でした。」
「確かに。手入れは本来審神者の仕事で、政府の許可なんて必要ないことだ。」
薬研は腕を組み、難しい顔をしてレンの言葉に頷いた。
「更には、視察です。私はこんのすけから、視察の間本丸から出るように言われました。普通は紹介しませんか?それも私のみならず、手入れをした面々も出るように言われました。」