第83章 時間遡行軍、現る
「副長の詩は奥が深いのだ。一見単調に見えても、そこには隠れた思いや意図が記されているものだ。例えば、”梅の花…」
「だああぁぁぁぁ!!!止めろ、斎藤。総司!てめぇもいつまで俺を馬鹿にすれば気が済むんだ!!」
「え、僕まだ何も言ってませんよね。今回は一君が言ったんですよ?」
「言わせたんだろうが!」
「副長、俺は誓って馬鹿になどしてはおりません。寧ろ…」
「僕も土方さんの詩は素晴らしいと思います。」
まさかの堀川乱入だった。
「特に”差し向かう心は清き水鏡”とか音も綺麗だし奥深いし好きですよ。」
「うわー…。信者がもう一人増えたよ…?」
成り行きを見ていた沖田がポツリと呟く。
「あ!あと、”知れば迷いしなければ迷わぬ恋の道”なんてお茶目で面白いですよね。確かにそうだなぁって。」
堀川は、それはそれは嬉しそうな満面の笑みだ。
聞いた新撰組の面々は本人を除いて一斉に吹き出し、当の土方は頭を抱えた。
「「「強者現る!」」」
藤堂、原田、永倉は、ゲラゲラと笑い転げた。