第80章 五稜郭にて
七海が霊力を込めると水晶と共に方陣が光り出し、それはやがてレン達を包み込む。
「武運を祈るわ。」
「あとをお願いします。」
七海とレンは、短く言葉を交わすと頷き合う。
その瞬間、方陣が一層眩い光に包まれた。
「いよいよだね。」
「うん。」
加州と大和守もまだ見ぬ地に思いを馳せる。
「絶対みんなで帰ろうね。」
「誰一人欠けずにね。」
「必ず解決しましょう。」
乱、燭台切、堀川も互いを励まし合った。
レンはふと、七海の向こう側、入り口付近に目を向ける。
すると、知らない男が立っている様に見えた。
ーさっきまで誰もいなかった様な…。
だが、それは一瞬で光に掻き消えてしまう。
見える景色は、目も開けていられない程の光に塗りつぶされて白一色となった。