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君に届くまで

第78章 番外編1




「出てこい!!」

鶴丸の後を追って広間まで来たレンは、にこにこと笑う三日月の後ろに向かって怒鳴る。

「まぁ、待て。」

「待てません。」

やんわりと宥める三日月に見向きもせず、レンは怒りの形相で素気無く返す。
鶴丸は、三日月の後ろに隠れたまま縮こまっている。

「すまんな、レン。今回のこれは俺の発案だ。」

三日月の言葉に、レンの眉がぴくりと動く。

「…あなたの案だと?」

ようやく追いついた加州、乱も息を切らせながらも三日月の前に立って鶴丸を庇う。

「メイクは俺がやった。」

「ボクも手伝った。」

「悪いと思ってるけど、これしかもう思いつかなくて。」

「ボク達どうしてもレンと一緒に行きたかったんだ。ごめん。」

その言葉に、レンが加州と乱をギッと睨め付ける。

「幾ら何でもやっていい事と悪い事がある!」

その言葉に、二人はびくりと体を震わせ首を竦めた。
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