第78章 番外編1
加州と大和守はムッとした顔を見せた後、互いを見合って頷き合った。
レンは、その仕草に一瞬目を眇める。
「レンに勝負を申し込む!」
加州はそう言いながら、びしっとレンを指さした。
「…何ですか?藪から棒に。」
「賭けるものは、レンのハロウィンパレード参加。」
「やりたくないんですが。」
「勝負に勝つ自信ないから?」
大和守の言い様にレンはムッとする。
「勝負の内容にもよります。何の勝負ですか?」
「明日から三日間、俺達が仕掛ける悪戯に驚かない事。」
「いいでしょう、受けて立ちます。」
「そうこなくっちゃ。」
「但し、条件があります。」
「条件?」
「伽羅さんを味方にください。」
「えっ!?なん…!もごもごもご…」
騒ぎ出しそうな鶴丸の口を、隣にいた大和守が塞ぐ。
加州はそれを横目でちらりと見てからレンに視線を戻した。
「何で大倶利伽羅?」
「伽羅さんなら多少のことでは動じないし、同じ人混み嫌いとして絶対協力してくれるからです。
それと、勝負期間は伽羅さんを近侍にします。」
「二人vs俺達って訳ね。」
「私と伽羅さんが驚いたら負け、でいいですよね?」
「勿論。じゃあ、明日から三日間勝負だからね!」
「望むところです。」
加州とレンは睨み合う。
「恨みっこなしだよ。」
言いながら差し出された小指に、レンは自身の小指を絡める。
「分かっています。」
そして、冒頭に戻る。