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夢小説短編集【IDOLiSH7】

第2章 憧れの人〜ドリノベVer〜


倒れないように床に手をついたら、ユキさんを押し倒しているような体勢になってしまった。

「す、すみませんっ…!私こけちゃってっ…」
「こけたんじゃなくて、俺が引っ張ったんだよ」
「ソ、ソデシタネ…」

な、何なんだこの状況は…

もしこんな所をモモさんやマネージャーさんに見られたら…

「ど、どきますねっ…」
「いや、このまま僕の話を聞いてくれる?」

こ、このまま…?

「そ、それは…私の腕が持つかどうか…」
「じゃあこうしよう」

そう言うと、あっという間にユキさんに形勢逆転されてしまい、今度は私が押し倒されている状況になってしまった。

ユキさんの綺麗な髪の毛の先が私の頬に当たる。

「君は、モモが好き?」

…はい?

「な、何でそんな事…」
「いいから答えて」

それって、人として…って事で良いんだよね?

「…も、もちろんRe:valeの事は尊敬してるし大好きです」
「…そうじゃなくて」

じゃ、じゃあどゆこと?

「そろそろね、限界なんだ。君とモモに足並みを揃えてるのも」
「あ、足並みを揃えてる…?」
「いくら僕だからって、男一人の部屋に女の子が一人で入ってくるのは危ないって事」

話が全く見えない。

それにここはRe:valeお二人の楽屋なんですが。

思考回路がショート寸前だ。

「ククッ…男に押し倒されてるのにその顔…」
「へ?」

今、私どんな顔してる…?

私を見下ろしながら口を抑えて笑うユキさん。

こんな時に何を考えてるのかと自分でも思うが、端正な顔立ちを歪ませて笑うユキさんも超絶イケメンだ。

モモさんが毎回そう言うのも頷ける。

…って、そんな事考えてる場合じゃない。

「て、ていうか…なんで私、押し倒されてるんですか…?」
「…ああ、それはね…?」

ユキさんの顔がゆっくりと降りてくる。

えっ…

これってまさか…

「ユ、ユキさっ…!」

まさかまさかまさかまさかっ…!?

キ、キスされる?

ユキさんに?

何で?

もしかしてユキさん私の事…

いや、そんなの天変地異が起こっても絶対に有り得ない。

こんな超売れっ子のアイドルが。

天下のRe:valeが。

私なんかを好きになるワケ…

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