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夢小説短編集【IDOLiSH7】

第2章 憧れの人〜ドリノベVer〜


「ちょっと、何その駄々っ子キャラみたいな設定」
「駄々っ子そのものだよ!でも、そんなユキもなんか魅力的かも…」
「モモ…やっぱり僕にはモモしか居ないよ」
「ユキっ…!」

手を取り合う二人。

確かにこの夫婦漫才はずっと見ていても飽きないけど、さすがにこれ以上続くと収録時間に影響が出てしまう。

二人の靴を揃えながら私も漫才に参加する事にした。

「はーい、二人ともお靴を履いてくだちゃいねー」
「えっ、俺まで子供扱い!?」
「モモもまだまだだね」

最初は二人の芸能人オーラに緊張していたものの、何年もすれば慣れてくるし、こうやってたまに二人の漫才に参加するようもなった。

この平和なやり取りを毎回楽しみにしているのは、私だけの秘密。

「じゃ、そろそろ本当に行こうか。収録に遅れるわけにはいかないからね」
『それユキ(さん)が言う~?』

私と百さんのツッコミが見事に揃い、二人で声を出して笑い合う。

今日も収録が始まる。

仕事スイッチをオンにして、楽屋の扉を抑えた時だった。

「あれ?あいちゃんのその爪、俺とお揃いの赤ネイルじゃん!」
「えっ…ああ、はい」
「似合う似合う!もしかして俺とオソロにしてくれちゃった感じ?」

しまった…

油断してた。

モモさんに憧れているのを悟られないように今まで過ごしてきた。

その気持ちに、ほんの少し恋という感情が入っているから。

だからRe:valeとの仕事の時以外は、ネイルを赤くしているのだ。

もちろんモモさんに言われた通り、お揃いという意味合いで塗っているため、特にモモさんの前では気をつけていたのに…

「そ、そんなんじゃないですよっ…」
「ちぇ。お揃いにしてくれたと思ったのに~…」
「僕もネイル赤にしてみようかな」
「ユキの赤ネイルとか超セクシーすぎるっ…!!その時は絶対俺が塗るからね!」
「あ、赤もユキさんに似合うと思います!」

ど、どうにか誤魔化せた…

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