第13章 ❄️️ 記録と活用
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『まず最初の氷問題は、ダークシャドウに持ち上げて貰えばいいんじゃないかな。とこやみ、たまにそうやって浮いてたでしょ?』
「よく見ているな。確かにそれなら安全だ。」
床に足がついていなけば問題ないな、盲点だった。と納得する常闇。
訓練開始前、2人がまず移動したのは前のチームが核をセッティングしていた6階。
それで次なんだけど、と続ける雪。
『私の個性じゃ単純に正面衝突で確保まで持っていくのはかなり難しい。とこやみはどう?』
「同感だな。ダークシャドウの力を持ってしてもあの推薦入試の枠を取った2人だ。制限時間いっぱい核を守りきる方に専念するのが無難だろう。」
『うん。そして問題はその時間稼ぎ。しょうじやじろうみたいな個性じゃないあの2人にだったらちょっとした罠、というか、工夫次第で少しだけ核の発見を先延ばしに出来ると思うんだ。』
「ほう。して、その工夫とは?」
そう話しながら雪は、配布された建物の見取り図を広げ、ある場所を示しにこっと笑う。
『核はここに隠す。』
「………っなんだと!?しかしなるほど、これは賭けになるな。」
『うん。でもその賭けを有利にするための仕掛けを作ればいい。』
「誘導するのだな。」
そう!と 指をパチンとならした雪は、目を閉じ、集中する。
数秒後、ふっと息を吐いた彼女は目を開け常闇を見る。先程までの穏やかなものとは違う、至極真剣な目付き。
『このまま少し練習したいから、とこやみ核を隠しに行くついでにちょっと歩いてきて貰ってもいい?無線つけて。』
「練習とは?まぁいいだろう。百聞は一見にしかずだな。」
ダークシャドウに核兵器のハリボテを持たせ、下の階へと降りてゆく常闇。
「これは…!」
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