第12章 ❄️ その実態は
「雪少女には他の者よりも厳しい課題が与えられる!!君はこの訓練で、20名の中から私が1番目、2番目に優秀であったと判断した生徒のペアと対決するのだ!!」
『ええー!!』
「そして君のペアは3番目に優秀だったものだ!」
つまり!!とオールマイトは全員に向けていう。
「今回の授業、優秀な成績の者にはもう1回訓練を行ってもらうのさ!!彼女のためにね。」
そう言ってその彼女の頭に手を乗せ、HAHAHA!と笑う。
生徒達は、おお~お得!オールマイトに選ばれたい!!と更にやる気をみなぎらせている。
雪はつい先程までそれはしんどいぞ、という顔をしていたのだが、はっとして顔をあげる。
「気がついたようだな、雪少女!」
『私がその優秀ペアに勝ったら…』
飯田もそれに気がついたらしく、その先を口走る。
「君が最強ということか!!!」
『あ、いや、最強とかそこまでは…』
「うおおおお!言ってくれるな雪!!」
「燃えてきたぜ!負けねぇぞ!!」
(昨日の最下位からちょっとくらい名誉挽回できるかなって思っただけなのに…)
「ブッ飛ばしてやる。」
『うう、ばくごうだけは嫌だな。絶対危ない。』
「んだとゴラァ!!」
(もしかして先生達がちょっと気遣ってくれたのかな)
「ハイ先生、」
騒がしい中、キリッとした声で質問があると手を挙げたのは八百万だ。
「なぜその枠が雪さんなのでしょう?まるで試合で言うシードのような立ち位置ですわ。この枠もくじでも良かったのでは?」
確かになー、なんでなんで?と、他の生徒達も気になるようだ。
「フフ、それはね…」
「昨日の体力テストのペナルティさ!!!遅れをとることは許さない、成績の悪いものにはどんどん苦行を与えて行く!それがうちの方針!ついでに奇数で1人余るからってのもあるがね!!!」
『やっぱペナルティ!!!』
くうぅ、と悔しそうに歯を食いしばる雪。
(というのは建前で、ほんとは相澤クンのはかりごとなんだけどねっ)