第12章 ❄️ その実態は
❄❄❄
「わーたーしーがー!!」
午後の授業開始を報せるチャイムがなった直後。
その4文字だけで、遠くからすごい勢いで''彼''が近づいて来ていることを察する生徒達は一斉にドアへと視線を向ける。
「普通にドアから来た!!!」
「オールマイトだ…!!すげえや、本当に先生やってるんだな…!!!」
「シルバー時代のコスチュームだ………!画風違いすぎて鳥肌が………」
ザワザワと喜ぶ生徒達の反応に満足したのか、HAHAHAHAとアメリカンな笑い声をあげるオールマイト。
同じハイテンションでもプレゼントマイクとは盛り上がり方が全然違う。これが平和の象徴、No.1ヒーロー…!
「ヒーロー基礎学!」
ハイテンション&大声でオールマイトが喋り出すと、ざわついていた生徒達は口をとじ、キラキラと目を輝かせて耳を傾ける。
「ヒーローの素地をつくる為様々な訓練を行う科目だ!!」
単位数も最も多いぞ、と言いながら、大男はその体を後ろに捻り、グググ、と何かを堪えているような素振りをする。
そしてデ~ン!と愉快な効果音がなりそうな程に勢いをつけて捻っていた体を元に戻し、続ける。
「早速だか今日はコレ!!戦闘訓練!!」
そして大きく【BATTLE】と書かれたカードを生徒に向かって見せびらかしているところも、何というかアメリカンだ。
「戦闘…訓練…!」
その言葉に奮い立つ生徒達。
「そしてそいつに伴って…こちら!!!」
オールマイトがそう言うと同時に、教室の前の方の壁からガコッという音と共に、大きく番号が記してあるスーツケースが姿を表した。
「入学前に送ってもらった【個性届】と【要望】に沿ってあつらえた…戦闘服!!」
「「おおお!!!!」」
「「コスチューム!!!」」
生徒達は大喜び。
「着替えたら順次グラウンド・βに集まるんだ!!」
「「「はーい!!!」」」
恰好から入るってのも大切な事だぜ少年少女!!
自覚するのだ!!!!
今日から自分は…
ヒーローなんだと!!